2019年2月10日

「地の塩、世の光」─信教の自由を守る日─

「紀元節」とは、戦前の2月11日に行われていた、現人神(あらひとがみ:天皇はこの世に人間の姿をして現れた神であるという)天皇制軍国主義・国家神道体制の中心的祭日でした。例えば、学校では、日の丸掲揚、君が代斉唱、「御真影(天皇の写真)」の前での「教育勅語」「奉読」、「神武天皇東征」「皇室のありがたさ」等が説かれ、偏狭なナショナリズムが植えつけられていきました。

「神道」がすべての宗教を超越した「超宗教」として、日本の国の形「国体」を規定しました。そのようにして「国家神道」が出現し、国家が宗教化していったのです。そのような状況下で、キリスト教界も、当初は信教の自由を圧迫され迫害されるなど被害者でしたが、やがて戦争に組み込まれ、加担し、加害者になっていったのです。

 特にバプテスト教会は、英国国教会をルーツにもつことから、国家宗教の迫害に最も晒された群れでもあったのです。ですから、私たちはそうした宗教がもつ同調圧力の怖さや危険性を歴史から学びとり、「政教分離の原則」を高く掲げているのです。    今もキリスト教界は、戦前のような旧「紀元節」復古を狙った「建国記念の日」制定は、その後に続くと考えられる靖国神社国家護持法案提出、元号法制定、首相等の靖国神社参拝、君が代日の丸強制など、今日の様々な「危険な状況」が危惧されるものとなっています。

 平和を願う私たちキリスト教会は、自らの戦前の悔い改めと共に抗議の意味をこめて、2月11日を「建国記念の日」ではなく、「信教の自由を守る日」として大切にしています。