2019年2月17日

「万物の終りが迫って─神の恵みの善い管理者として」

「万物の終りが迫っています」。この手紙は、なぜ、このようなことを語るのでしょうか。

 主イエス・キリストが、天に昇られてから何年か経っています。その間に、キリストの教会は、信徒が増え力を持ってきました。それだけに教会に反発する力も強くなりました。この手紙が書かれた頃には、さまざまな迫害や弾圧が起こり始めました。やがて、あの有名な皇帝ネロの迫害が起ころうとしている、たいへん緊張している時期であったと考えられます。    そのような状況ならば、当然教会の中にも混乱や動揺が生じたでしょう。主イエスを信じる喜びもつかの間、厳しい弾圧に遭い、社会的にも軽蔑や差別されるようになれば、人間として動揺するのは当然でしょう。あるいは、弾圧に反発する心も強くなり、教会内部にかえって熱狂的、狂信的な運動や、そうかと思えば、そのようなさまざまな動揺から免れようとして、すっかり諦める心も生まれたかもしれません。                                    そういう状況において、まず大切なこと、それは、私たちが与えられているキリストの信仰を通して、心静めて道を定めるということです。どんな筋道を通したらいいのか、どのように生きたらよいのかが問われるのです。                                               そこで「万物の終りが迫っている、その限界が見えている」ということを、私たちが、はっきり見定めなくてはならない。そうしないと確かな道が定まらないのです。聖書の御言葉を通して、イエス様が私たちに「わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。」と語りかけてくださいます。

 新年度に向かって歩みを進めています。立ち止まることなく、イエス様に向かって歩みを進めて行きましょう。