2018年7月29日

「必要なことはただ一つだけ」

 今朝の物語は、主イエスが旅の途中、ある村に入られたことから始まります。マルタという女性が、主イエスを自分の家に迎え入れました。「マルタ」という名前には「家の女主人」の意味もあると言われます。   彼女はイエスを客として迎え、まさに「女主人」としてもてなすため、せわしく立ち働いていました。一方、妹のマリアは主イエスの足もとに座って、その話に聞き入っていました。そこでマルタは、まるで手伝わない妹を不満に思い、イエスに訴えました。                                 主イエスはそれに答えて、「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。しかし、必要なことはただ一つだけである」と言われたのです。

 マルタは「女主人」として、客として迎え入れたイエスのことを心配したのです。マルタの思い悩みの中心には、依然として彼女自身が「家の主人」であり続けていることがあるように思われます。そしてイエスのことを心配しているようで、実は自分が「主」であり続けている。だから思い悩み、心は乱れるのです。人間の「思い悩み」の根本には、自分自身が依然として中心に居続けていることがあります。

 問われているのは、私たちの生活の中で誰を「主」としているかということです。主イエスこそ、まことの「主」として、私たちの心に迎え入れるということです。そうであるなら教会の奉仕はもちろん、家庭や社会にあっての奉仕も、それは「主イエスこそ神である」ことを証するものとなるのではないでしょうか。