2018年4月15日

「食卓をととのえ招いてくださる方」

「その後、イエスはティベリアス湖畔で、また弟子たちに御自身を現された」(1節)とあります。

「ティベリアス湖」とは彼らの故郷にある「ガリラヤ湖」のことで、この地域がローマ帝国の支配下に置かれたとき、ローマ皇帝ティベリウスにちなんでこう呼ばれました。                   「現す」という言葉は、神の顕現を表す言葉であり、主イエスが復活されて神の栄光に輝く姿で現れたことを示しています。

 弟子たちはイエスを失い、故郷のガリラヤに帰って来て、漁師の仕事に戻ろうとしました。「しかし、その夜は何もとれなかった」(3節)とあります。                             徹夜の漁に疲れ果てて、夜が明けようとしているころ、彼らは港に戻って来ました。ところがその岸に一人の人が立っていて、「子たちよ、何か食べる物があるか」(5節)と声をかけてきました。   弟子たちが答えると、「船の右側に網を打ちなさい」(6節)と指示されます。聖書において「右側」とは祝福された方向であると言われます。そのとおりに網を打つと、彼らは「もはや網を引き上げることができなかった」ほどの大漁となりました。

 主イエスの導きなしには、弟子たちの働きは徒労に終わるのですが、主と共に働くとき、豊かな収穫が与えられるのです。そして、主イエスが食卓をととのえて待っていてくださるのです。この食事の場面は、教会における主の晩餐式を思い起こさせます。   キリストの復活によって、一度崩壊した弟子たちの群れが、再び新しく築き上げられ、世界宣教へと歩みを始めるのです。