2018年3月18日

「主イエスは祈ってくださる」

  受難節(レント)第5主日の礼拝を献げています。私たちは、イエス・キリストの十字架に思いを寄せる期節に、祈りをもって過ごしています。

 イエスの十字架は私たちにとって生きる基です。しかし、ともすれば日々の忙しさの中で、いつしか見失いがちになることも事実です。

 今朝は、主イエスのすぐ御側にお仕えし、従っていたはずのシモン・ペトロの姿を通して、ご一緒に御言葉から聞きたいと願います。    1番弟子のペトロは、他のみんなはともかく自分だけはどんなことがあってもイエスについて行こうと堅く心に決めていたようです。事実、イエスが捕まる際、彼は剣を抜いて勇猛果敢に戦い、1人の兵士の耳を切り落としてさえいます。彼は、イエスに武器を棄てるように促されてやっと剣を納めたのです。他の弟子たちが一目散に逃げ去った後も、イエスの身を案じてこっそり後をつけて行き、大祭司の家の中庭にまで潜入したのです。その結果、見つかり3度イエスのことを「知らない」と言ってしまうのです。    この出来事はペトロにとって生涯最大の失敗だったに違いありません。しかしこれを知っていたのはペトロ本人とイエス様だけのはずです。4つの福音書にこの出来事が記されているのは、ペトロが「私はかつてこんなふうに主を裏切った。にもかかわらず復活の主イエスに赦されて、神の救いのわざを語る者とされたのだ」と彼自身が人びとに語り聞かせたからにほかならないのです。