2018年11月18日

「互いに足を洗い合う」

 主イエスが弟子たちと共にした最後の食事について、ヨハネによる福音書では過越の前の夜であったとあります。過越の祭りのとき、イスラエルの各家庭では小羊が屠られ、かつて民がエジプト脱出の際、小羊を屠って最後の食事をしたことを記念する行事がなされていました。

 私たちの罪からの解放のために、主イエスご自身が神の小羊として屠られる、十字架にお架かりになるときがいよいよ迫ってきました。主イエスは弟子の足を洗うという出来事の後、捕らえられ、十字架への道を進んで行かれます。    主イエスは「食事の席から立ち上がつて上着を脱ぎ、手ぬぐいを取って腰にまとわれた。それから、たらいに水をくんで弟子たちの足を洗い、腰にまとった手ぬぐいでふき始められた」と記されています。ところが、ここで交わされた会話は、弟子たちにはその意味が分かりません。

 聖書はペトロやユダが主イエスを裏切るような行動を起こしたことを余さず記しています。また一方では、とことんまで私たちを愛し、十字架にお架かりになった主イエスを描くとともに、他方では最後まで自分中心の生き方しかできない、そのためにいつの間にか、自分に都合のよい救い主を作り上げかねない私たちの姿をここで明らかにしていると言えます。                                 愛する弟子たちの足を洗うという行いを通して、主は私たちをとことん愛してくださることをお示しになりました。私たちは主に反逆してしまうような人間ですが、主はそのような私たちをお遣わしになるのです。 「あなたたちを受け入れる者はわたしを受け入れる者であり、神様を受け入れることになるのだよ」とおっしゃるのです。まことに光栄ある御言葉です。