2018年1月14日

「イエス・キリストにある確かな救い」

 ヨハネの手紙一は、紀元後1世紀後期もしくは2世紀の初頭に書かれたと考えられており、どこか特定の教会に宛てられたのではなく、広範囲の教会で読んでもらうために書かれ、公同書簡という名で7つあるうちの一書簡とされています。    ヨハネの手紙(一、二、三)の著者は、神が世界を創造し、そして世界を悪から解放し、神と人とを一つにするためにイエスを遣わしたことを教えています。

 イエスは神の言(ことば)であり、その教えによりキリスト者は互いに愛し合うべきだと強調し、真理に忠実であり続けるように勧めています。この真理とは、神の子イエスは真に人であり、人が罪から清められるために血を流したことを指します(ヨハネの手紙一1:7)。またここには初期教会が偽教師にどのように対処したかもうかがえます。

 偽教師たちは、イエスは人の姿で現れたが実際は純然たる霊的な存在であったと主張しました。しかも彼らは霊的な生活は道徳的な生活よりも清らかで汚れておらず、霊に関する知識は道徳の規範よりもたいせつであると信じていました。そして、肉体の域を越えて命を考えることができない人のためにのみ道徳の規範があると教えました。それは、たとえば霊的に新しく生まれることによって罪を犯すことは不可能になるので、自分たちには告白する罪がないとまで、偽教師たちは信じていたのです(同1:910)。

 ヨハネの手紙の著者は、イエスが真に神の子(光の子)であるとは、イエスが真に人として「肉となって来られた」(同4:2)と信じることであり、神に従い、互いに愛し合うことであると(同3:1124)、そのような人びとが永遠の命を得るのだと教えたのです。