2018年7月8日
「祈りつづけて」
このフィリピの信徒への手紙が書かれた当時、パウロは牢獄にいました。それがいつであったのか、またその場所もはっきりしません。
彼は自由を奪われ、命の危険さえあり得るような状態のもとに置かれていました。そのような獄中からの手紙として書き送られました。
パウロは、「わたしはあなたがたのことを思い起こす度に祈り、祈る度にあなたがた一同を思い出します」と告げています。
フィリピの教会の人びとが信仰に入った日からずっと、キリストの信仰をしっかりと守り通してきたことは、パウロの目から見てもすばらしい、ほめたたえるべきことでした。しかし、パウロはフィリピの信徒たちを賞賛するのでなく、むしろ彼ら彼女らをそのように守り導いてくださった神の恵み、神の働きに感謝することによって、その万感の思いを表しました。
パウロが伝えたかったことは、これから後もその信仰がますます豊かに成長し、信仰者としての完成を目指して共に前進しつづけることを願い求め、執り成しの祈りを献げているという点にあったといえます。
私たちの人生においても、神と人と教会に出会い、その出会いの中で示された主イエス・キリストの福音を、そして神の恵みのもとにある私たちの存在というものを、今この瞬問においても、そして今から後、将来に至る日々においても、同じく私たちの中心に据えたまま、生きていく。
それが私たちの願いであり、またこの手紙の最初に記されたパウロの祈りであったといえるのです。