2017年6月11日

「御国が来ますように」主の祈り3

 今週、私たちは、「御国が来ますように(み国を来らせたまえ)」という祈りを、共に学びます。

「御国」とは、「あなたの国」という意味ですから、これは、「神様、あなたの国が来ますように」ということです。  「国(バシレイア)」といっても、「神の国」は、日本などというような、ある国や地域のことではありません。それは「支配」(あるいは「統治」)、「神の支配される世界」ということです。

 主イエスに、ある人が「神の国はいつ来るのか」と尋ねた時に、次のようにお答えになりました。

「神の国は、見える形では来ない。『ここにある』『あそこにある』と言えるものでもない。実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ」(ルカによる福音書17:2021)。   この「あなたがたの間に」という言葉は、「心の中」というふうに理解されがちですが、そうではないでしょう。神の国が心の中にあるのだとすれば、とても主観的なことになってしまうからです。   そうではなく、主イエスは、「神の国はあなたがたの真っただ中にある。わたしがそれである。あなたがたの間に私が立っている。ここに神の国がある」と言おうとされたのではないでしょうか。   そこにこそ、すべての問題を打ち破る鍵がある。この世界の諸問題の根が断ち切られていく出発点がある。目には見えないけれど、信仰の目で見れば、それがわかるということなのです。

 私たちは、「み国を来らせたまえ」と祈る時に、遠いどこかに神の国を求めるのではなく、「神の国はあなたがたの間にあるのだ」という主イエスの言葉を、しっかり心に留めたいのです。