2017年3月5日

「神のみことばで生きる」

 復活祭(イースター)は、イエス・キリストの復活を記念して祝われる日です。復活祭は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるため、年によって日付が変わる移動祝日です。日付は変わるものの、必ず日曜日に祝われます。したがって、今年は416日になります。

 復活祭前の6回の主日(日曜日)を除いた40日間を、受難節(レント)あるいは四旬節といいます。   40」という数字は聖書の中では受難、試練を表す数字です。ノアの洪水の物語では4040夜雨が降り続き、モーセは40日間シナイ山にとどまり、イスラエルの民は40年間荒れ野を彷徨いました。イエスも荒れ野で40日間断食をされました。受難節において、私たちは受難のイエスと共に歩むことを、心に刻みたいと願います。  

 主イエスが経験した悪魔の誘惑は、私たちにとっても無縁なものではないでしょう。その一つひとつは私たちが何らかのかたちで経験していることであり、 私たちは自由な意志によって選択することができるでしょう。おそらく、イエスは悪魔が要求することを難なく示すことができました。しかし、いったんその線を越えてしまうなら、むしろその虜(とりこ)になってしまうものです。自分が自由な意志で選択したのだから、再び拒否するのも簡単であるかのように思えます。しかし逆に悪魔の要求はそれを選択したものを支配する力を持っているのです。    私たちがレントにおいて経験する試練は、人間的な正しさや道徳規範を守ることではなく、私たちに示された神の愛を無駄にしてしまう誘惑に打ち克つことです。私たちが守るべきは神との関係です。そして、その誘惑に打ち克つのは、ただ神の言葉に従うことによって成し遂げられるのです。