2017年12月17日

「バプテスマのヨハネキリストの先駆者として」

 聖書の4つの福音書にはすべて、主イエス・キリストの登場に先立って、洗礼者(バプテスマ)のヨハネがいたという事実を伝えています。このヨハネをイエス様の「先駆者」と呼ぶことがあります。

 彼の教えとは、「神の裁きは近い。今までの生活を悔い改め、神のもとに立ち帰り、そのしるしとして洗礼(バプテスマ)を受けよ」ということでした。ヨハネは、すべての人が罪の中にある存在であるということを強調します。   誰もが創造主である神を忘れ、神から遠ざかり、神に逆らって自分勝手に生きており、その結果、神の怒りがそれらの人びとを滅ぼす時が迫っていることを、彼は激しい言葉で訴えたのでした。また、ヨハネは「神の国」は近いと教えました。神は人間のもとに近づきつつあると説いたのです。

 ヨハネの理解では、神とはまず第一に「正義の神」でした。「正義の神」が「罪ある人間」のもとに近づくならば、そこでまず生じることは神による人間への「裁き」であると、ヨハネは理解していたようです。 だからこそ、今のうちに、まだ時間のあるあいだに、自分の罪を悔い改め、神に立ち帰れと、ヨハネは説いたのです。

 たいせつなことは、イエス様の福音、イエス様の教えられたことがらが、こうしたヨハネの教えを受容しつつ、さらにそれを高めたものとして示されたということにあったのです。   

だからこそ、バプテスマのヨハネは単なるイエス様の「引き立て役」ではなく、「先駆者」と呼ばれるに値する存在だったといえるのです。