2017年11月19日
「神の救いの約束」
「出エジプト」という神によるイスラエルの民の救済の物語は、エジプトに寄留していたイスラエルの民が、今や奴隷として重い苦役に苦しめられた状態を背景にしています。
イスラエルの民はヤコブとその子らの時代にエジプトに寄留し、その地で数を増しました。というのは、当時で言えば世界的な大飢饉があって、その中でヤコブの子ヨセフがエジプトの食糧政策を指導して、飢饉を乗り越えたために、ヤコブとその子どもたちはエジプトに移住をしました。しかし、そのヨセフの功績は忘れ去られ、それを知らない王が出現しました。そしてイスラエルの民に対する迫害が始まり、民は苦役に苦しむ生活に喘いでいました。 イスラエルの民の人数を増やさないために、男子の出生や育成を抑える政策もとられました。「出エジプト」はそうした民の苦難からの解放の物語です。その救済の物語は、エジプトから遠く離れた密かな場所で、モーセという人物を神がお召しになることによって始められました。
聖書が伝える神、モーセを召し、主イエス・キリストにおいて人となってこられた神は、「聖なる神」です。神の臨在が、燃え上がる炎の中に示されたのは、神の近づきがたい聖性を表わしています。ここが聖書の伝えるたいせつな点です。 神は、まことに神であり、聖なる方、人間にはおよそ近づくことのできないお方です。神と顔を合わせて見るなら、人間は生きることはできないと言われます。しかしその聖なるお方である神が、神ご自身の方から「出会い」を造り出してくださいます。聖書はそう告げているのです。