2016年6月5日


「地の塩、世の光としての使命」

 「あなたがたは地の塩である」とは、どういう意味でしょうか。それには塩がどういう働きをするかということから考えるとよいと思います。

 それは第一に味をつけることでしょう。ともすれば味気なくなってしまうこの地上の生活に、塩のような引き締まった味をつけるのです。しかし塩加減というのは、なかなか難しいものです。塩気のない食べ物はまずいものですが、逆に塩を入れすぎても辛くて食べられません。塩は、他の味を引き出すためにも用います。

 塩の第二の働きは、ものを腐らせないことです。塩鮭や漬物が長もちするのは、塩が効いているからです。私たちの世界は、ある意味でいつ腐ってもおかしくないような世界です。神の心からかけ離れ、自分の利益や欲望によって動いているのではないだろうか感じてしまうことがあります。それにもかかわらず、何とかこの世界が保たれているのは、わずかながら塩のような働きをしている人がいるからではないでしょうか。

また、主イエスは「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい」(16節)言われます。それによってキリストを証しするのです。(おおやけ)に信仰を言い表してバプテスマを受けることのひとつの意味は、キリストを証しするということです。人は誰でも最初にクリスチャンを見て、キリスト教がどういう信仰であるか、キリスト教を信じたらどういう人間になるかを知ります。「クリスチャンも人間ですから、いろいろな人がいますよ」と言いわけしたくなりますが、むしろそれを心に留めて、キリストを証しする人間として立てるようになりたいものです。