2018年5月20日

「一同がひとつになって」─ 聖霊降臨

 弟子たちの上に聖霊が降るという出来事が起こりました。これが「聖霊降臨」、「ペンテコステ」です。

 そこでは、まず弟子たちの上に聖霊が降るという出来事が、「風」、「音」、「炎のような舌」など、聴覚や視覚など5感に感じられる経験として描かれています。そして次に、その結果として人びとの上に生じた現象が記されています。   「すると、一同は聖霊に満たされ、"霊"が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした」のです。聖霊はいろいろな言葉を語る能力を弟子たちに与えたというのです。それは一つの奇跡的な現象であったといえます。    しかし、ここで重要なことは、そうしたさまざまな言葉を通して「福音が語られ始めた」ということなのです。

 主イエスの復活から数えて50日目、昇天からわずか10日目に、この聖霊降臨の出来事が起こり、それこそ何が何やら分からぬまま、弟子たちはあれよあれよという間に「宣教を開始させられた」というのが現実だったでしょう。生まれたばかりの小さな教会を取り巻く状況は、極めて厳しいものだったはずです。人間的に考えれば、もっと「良い機会に」、「準備してから」、「状況が好転してから」というほうが自然なことだったといえるでしょう。    しかし、聖霊は弟子たちの思惑や都合にかかわらず、風のように炎のように、自由自在に彼ら彼女らの上に降り注いだのです。

 思いがけない時、聖霊が弟子たちに宣教を開始させます。すると、その宣教の中で、宣教の働きを通して、今度は教会が新たにされていった、そして一つになっていったのです。