2017年3月19日

「あなたがたはわたしを何者だと言うのか」

 ガリラヤでの伝道が一区切りついたとき、主イエスは弟子たちと共に、フィリポ・カイサリア地方に出かけられました。それは、それまでのガリラヤでの伝道を締めくくり、次の歩みとして、エルサレムに向かう、主の生涯の最後の段階に進まれる、まさに区切りの時でした。

 今朝の聖書箇所で、主イエスは弟子たちに対して、まず人びとが御自分の働きをどのように受けとめているかを、「人々は、わたしのことを何者だと言っているか」(マルコ8:27)と問われました。弟子たちは、人びとの噂をそのままに伝えました。  それを聞いて、主イエスは「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか」(同29節)と、弟子たち自身の理解を問われました。そこで弟子たちを代表してペトロが、「あなたはメシアです」と答えました。   「メシア」という言葉はヘブライ語で「油を注がれた者」という意味であり、ギリシア語では「キリスト」となります。昔、王や預言者など、神によって選ばれし者としての任職式に、神の恵みのしるしとして、その頭に油が注がれました。そのような起源をもつ言葉が、主イエスの時代には、神に選ばれた「救い主」を意味するようになっていました。ですからペトロが「あなたはメシアです」と言ったとき、つまり彼は「イエス様、あなたは救い主です」と告白したのです。

 ここから私たちに問われているのは、弟子たちと同じように「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか」ということです。